解説
アヴィニョンの東の水源ユゼスからネマウスス(現在のニーム)まで水を運ぶために造られたポン・デュ・ガール=写真=では、1日で約2,000万リットルもの水が流れていました。これは現在の日本で、約6万人以上が一日に使用する水の量に相当します。ネマウススは当時、ローマの都市として大浴場や公共施設などで水がふんだんに使われていました。
全長約50kmの導水路のうち、ポン・デュ・ガールを含む275mが世界遺産登録されています。ポン・デュ・ガールは、下に行くほどアーチが大きくなる三層のアーチ構造をしており、少ない石材で強度を保ちながら橋を高くする古代ローマの土木建築技術の高さだけでなく、彼らの美意識までも現在に伝えています。