解説
1972年に世界遺産条約が採択されましたが、世界で最初の世界遺産が誕生したのは1978年のことです。採択からの6年の間に、各国が世界遺産にふさわしい遺産のリストを作り、それらを守っていくための法律を整え、保護計画を立てるなど、世界遺産に登録するための準備を行ってきました。そして1978年の世界遺産委員会で、世界で最初の世界遺産が12件誕生しました。1,073件(2017年7月現在)ある世界遺産はこの12件から始まりました。
現在、世界遺産を一番多くもっているのはイタリアですが、実は世界で最初の世界遺産の中にイタリアの遺産はありません。現在2位の中国も、3位のスペインも、4位のフランスも、世界で最初の世界遺産には入っていないのです。現在のトップ10の中で入っているのはアメリカとドイツだけです。
アメリカ合衆国は世界遺産条約を世界で最初に批准(条約への参加)し、アメリカ初の国立公園である『イエローストーン国立公園』=写真=と、アメリカ先住民の住居の『メサ・ヴェルデ国立公園』を世界で最初に世界遺産登録しました。