解説
ヨーロッパ大陸の南の端にあるイタリアの中部に、「花の都」とも称されるフィレンツェがあります。フィレンツェは14世紀頃から「ルネサンス」と呼ばれる文化・芸術運動の中心地として栄えました。ルネサンスが始まる前のヨーロッパの国々は、キリスト教を深く信仰していて、人々の生活も考え方も神を中心とするものでした。しかし、キリスト教が生まれる前の古代ギリシャやローマの文化はそうではなく、人間がいろいろなことを話し合い考える、人間中心の文化でした。神さまも人間と同じようにお酒を飲んで騒いだり恋をしたりすると信じられていたのです。
ルネサンスは、そうした人間中心の文化をもう一度取り戻そうとする運動です。ルネサンスとは「ル(再び)ネサンス(生まれる)」という意味で、中世のヨーロッパに再び古代ギリシャやローマの文化が登場したのです。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂=写真=のドーム天井は、フィレンツェのシンボルになっています。