解説
アメリカ大陸のうち、南アメリカ大陸にあるペルー南部にマチュ・ピチュ=写真=があります。かつて南米で大きな力をもったインカ帝国の都市のひとつとして作られました。アンデス山脈の高い山の上に作られたため、インカ帝国が滅んだ後は長い間忘れられ、約400年の時を経てアメリカの歴史学者ハイラム・ビンガムに発見されました。大学教授で探検家のハイラム・ビンガムは、映画『インディー・ジョーンズ』のジョーンズ博士のモデルになったとも言われています。
マチュ・ピチュとは、現地の人々の言葉で「老いた峰」という意味です。高い山の上ですが、石でできた神殿や住居、水路や水くみ場、畑なども計画的に作られており、インカ帝国の文明の高さを知ることができます。それも、彼らの文化には物を運ぶのに便利な車輪を使った跡もなく、鉄をつくる技術もなかったというのだから驚きです。インカ帝国は文字をもたない文化であったため、記録が残っておらず、多くの謎に包まれています。