解説
モロッコ北部のヴォルビリス=写真=は、古代ローマ時代に発展し、モロッコ最大のローマ都市として栄えました。その後イスラム国家イドリース朝の首都となりましたが8世紀に衰退し、18世紀のリスボン大地震の被害により廃墟となりました。ポルトガルのリスボン沖を震源とするリスボン大地震は、マグニチュード8.5~9ほどもあったとされます。
先史時代から集落の存在していたこの地は、かつて「ワリーリ(月桂樹)」と呼ばれており、ローマの支配下に入ると小麦やオリーブなどを栽培する農業都市となりました。3世紀末にローマ帝国が街から撤退した後は、ベルベル人の言葉で「夾竹桃」を意味するヴォルビリスと呼ばれるようになりました。