解説
ネムルト・ダーは、コンマゲネ王国のアンティオコス1世が自身の墳墓として築いたと考えられています。墳墓の北側のテラスには複数の石版が置かれており、「王の星占い」と呼ばれる石版には、獅子と19の星が刻まれ、水星と火星、金星が大きく描かれています。また、王が神々と握手をする図柄もあり、王自身が神々と対等であることを示しています。
聖山とされるトルコ南東部のネムルト山の山頂にある『ネムルト・ダーの巨大墳墓』は、アンティオコス1世が自らの神格化を計るために築いたと考えられています。コンマゲネ王国はギリシャとペルシア双方から強い影響を受けていたため、ネムルト・ダーに残る石像にはギリシャとペルシア双方の神々が混在しています。