解説
ベネディクト会の聖ヨハネ修道院=写真=は、スイスとイタリアの国境近く、アルプス山脈南側の険しい斜面に位置するミュスタイアの谷にあります。フランク王国のカール大帝は、アルプス山脈を越えて北イタリアのロンバルディア地方へ軍隊を送る際の宿泊地として、780年に聖ヨハネ修道院を建設しました。軍隊以外でも、この地を越える聖職者たちも利用していました。
最初に作られた時は木造のシンプルな礼拝堂でしたが、15世紀に建て直した際に石造りにつくり変えられました。質素な外観とは裏腹に、内装は「旧約聖書」や「新約聖書」の物語を題材とした色鮮やかなフレスコ画で埋め尽くされています。12世紀からは女子修道院となって現在でも使われています。