解説
12世紀末、イスラム教徒の手に渡っていた聖地エルサレムに代わる「新たなるエルサレム」を築くため、ザグウェ朝全盛期の国王ラリベラは、ロハと呼ばれていたこの地に都を移し、岩窟教会の造営を始めました。20数年後にラリベラ王が死去した時には、すでに11の教会が完成しており、あまりの完成の早さに「天使がつくった」と噂されました。
さまざまな建築様式が交じり合うラリベラの聖堂群は、地表の高さに教会の最上部を作ることから始まり、周囲を掘り下げながら細部が整えられていったと考えられています。聖ゲオルギウスに捧げられたギョルギス聖堂=写真=が有名で、現在も司祭や修道士の暮らすエチオピア正教の聖地になっています。