解説
ダマスカスは世界最古の都市のひとつで、『旧約聖書』にはアブラハムが旅の途中でこの地を訪れたと記されています。また、『新約聖書』ではキリストと聖母マリアの避難場所とされています。『旧約聖書』はユダヤ教とキリスト教の正典であるだけでなく、イスラム教でもその一部が啓典です。
メソポタミアとアラビア半島、地中海を結ぶ交通の要衝に位置するダマスカスは、さまざまな国家に支配されましたが、その間も商業都市として「砂漠のダイヤ」と呼ばれるほどに栄えました。現在も旧市街にはローマ時代の凱旋門やイスラム教のモスク=写真=、キリスト教の聖堂などが多く残っていますが、内戦の影響で2013年に危機遺産リストに記載されました。