解説
広島平和記念碑(原爆ドーム)=写真=は、1915年にチェコの建築家ヤン・レツルによって建てられました。チェコでウィーン分離派(ゼツェッション)様式やアール・ヌーヴォーを学んだヤン・レツルは、日本滞在時に広島平和記念碑や上智大学、聖心女子学院、松島パークホテルなど多くの設計を手がけましたが、そのほとんどは残っていません。
広島平和記念碑(原爆ドーム)は、観るたびに原爆の悲惨な体験を思い出すのでつらい、という理由から取り壊すことも検討されましたが、原爆の悲惨さを後の世に伝えるために保存されることになりました。世界遺産委員会では、アメリカの反対や中国の棄権を乗り越えて1996年に世界遺産登録され、核兵器廃絶や世界平和を訴えています。