解説
マハーバリプラムの村はずれの砂地に立つ5つのラタ(山車)はそれぞれ、インドの叙事詩「マハーバーラタ」の登場人物の名前が付けられています。花こう岩の塊を削って造られたラタは、方形や前方後円形などそれぞれ異なった形をしており、5つの石造寺院と動物の石像がお祭りのおみこしや山車の行列のように並んでいます。また遺跡群の中心には巨大な岩壁彫刻=写真=も残されています。
マハーバリプラムは7~8世紀にかけてパッラヴァ朝が築いたヒンドゥー教の遺跡で、アジア各地との交易が活発であったこの地にはヒンドゥー建築の様式や技術がもたらされ、盛んに建築物や彫刻が作られました。海辺にある「海岸寺院」は、2005年と2006年の津波で被災しました。