解説
オーストリア共和国の首都であるウィーンの中心部は『ウィーンの歴史地区』として世界遺産登録されています。19世紀半ばには、フランツ・ヨーゼフ1世が都市の大改造を行いました。旧市街を囲っていた城壁は取り壊されて、その跡地にリンクシュトラーセと呼ばれる環状道路が築かれ、周囲にはネオ・ルネサンス様式の国立歌劇場や、ゴシック・リバイバル様式の市庁舎など新たな公共建築が次々に建てられました。
ウィーンは文化交流の地としても栄え、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』が国立歌劇場のこけらおとし(初めての公演)で演奏されたり、新大陸からヨーロッパに伝わったチョコレートを用いたケーキ「ザッハートルテ」をウィーン出身のフランツ・ザッハーが考案するなど、文化都市としての魅力もあります。