解説
テキーラ酒の原料だけでなく、シロップや甘味料としてお菓子作りにも使われるリュウゼツラン=写真=は、いくつかの種で葉から繊維をとることができるため、古くから先住民たちによって織物の原料や糸としても使われてきました。また、乾燥させた花茎は釘や針、大きなものでは柱などの建築材にも使われていました。
メキシコ中西部のテキーラ地方には、18世紀に建てられたテキーラの醸造施設が残っています。16世紀に入植したスペイン人によって蒸留製法によるテキーラ酒の大量生産が始められ、19世紀以降、生産量が増加しました。日干し煉瓦の蒸留所にはバロック様式の装飾も見られ、現在も稼動しているものもあります。また先住民のテウチトラン文化の遺跡も残っています。