解説
スペインのラ・マンチャ地方に位置するクエンカは、要塞として標高約900mの断崖の上に築かれました。その後の人口増加と共に様々な建造物が所狭しと建て増しされていったため、下から見上げると頂の上に街が張り付いているように、まるで街が宙に浮かんでいるように見えます。実際に崖から飛び出した「宙つりの家=写真=」などもあり、「空飛ぶ魔法をかけられた街」とも呼ばれています。
クエンカは、現在はキリスト教の街ですが、9世紀にイスラームの王朝である後ウマイヤ朝によって築かれました。その後300年近くイスラーム文化圏であったため、大聖堂の内部にイスラームの装飾様式の影響が見られるなど、街にはイスラームの文化がよく残っています。