解説
コルディリェーラ山脈に棚田=写真=を築いて農耕を行っている少数民族イフガオ族には、田植えや収穫、冠婚葬祭などの儀式の際に歌われている詠唱「ハドハド」が今も残っています。200以上もの物語がありますが、メロディはひとつしかありません。ハドハドは、2001年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
『フィリピンのコルディリェーラの棚田群』では、若者の流出による後継者不足や観光化による転業、新品種の導入による二期作などで棚田が荒廃したため、2001年から危機遺産リストに記載されていました。しかし、ユネスコの協力の下で伝統的な知識を次世代に伝える活動などの保全活動が進められ、2012年の世界遺産委員会で危機遺産リストから脱しました。