解説
テーベは古代エジプト中王国時代の第11王朝のときに初めて都になって以来、一度はアマルナに都が移されましたが、約1,000年にわたって古代エジプト王国の首都として栄えました。最盛期である新王国時代の第18王朝期には周辺国を次々を制圧し、その姿はホメロスによって叙事詩『イリアス』の中で「100の塔門をもつ都」と讃えられるほどでした。
首都カイロの南約670kmのナイル川中流域に位置するテーベは、新王国時代を中心とする遺跡群です。アメン神をまつる「カルナク神殿=写真=」やツタンカーメンなどのファラオが眠る「王家の谷」、ハトシェプスト女王が築いた葬祭殿などが残り、盗掘や破壊の被害を受けてはいるものの、古代エジプト王国の繁栄を今に伝えています。