解説
ゴンダールにあるダブレ・ベルハン・セラシエ聖堂には、頭から直接羽のはえた天使のフレスコ画(写真)が描かれています。これはエチオピアの典型的な宗教美術を今に伝えるものです。
エチオピア帝国の皇帝ファシラダスが都として以降、ゴンダールには多くの宮殿や聖堂、浴場が短期間で築かれました。これはファシラダスが築いた宮殿に、次の皇帝ヨハンネス1世が図書館を、バカッファ帝が謁見の間を、メントゥワブ帝が宮殿や聖堂、修道院をつくるなど、それぞれの皇帝が先代を超えようと建造物を造営したためです。ゴンダールの遺跡群の中でも重要な、ファジル・ゲビと呼ばれる王宮群は、ヴェネツィアの鏡や中国の絹や陶磁器、象牙などで豪華に飾り立てられています。