解説
金や銀を含む鉱石を粉々に砕き、それを水銀や水、塩と混ぜて「アマルガム」と呼ばれる合金を作った後、水銀を加熱して蒸発させ金や銀を取り出す「アマルガム法」が、新大陸のポトシなどの鉱山で盛んに使われていました。そのため、17世紀に新大陸での金銀鉱山採掘が本格化すると、アルマデンやイドリアで採掘された水銀が輸出されました。
スペインのアルマデンとスロベニア共和国のイドリアは、ヨーロッパの2大水銀鉱山として2012年に世界遺産登録されました。世界最大の鉱山であったアルマデンでは古代から水銀採掘が始まり、2001年に閉鉱するまでに、世界中で使用された水銀の約3分の1に相当する約25万トンが産出されました。