解説
世界で最初に登録された世界遺産のひとつ『メサ・ヴェルデ国立公園』に残るアナサジ族が築いた住居群跡のうち、最大のものは「クリフ・パレス(断崖の宮殿)=写真=」と呼ばれています。200~250人ほどが居住していたと考えられており、キヴァと呼ばれる儀礼のための円形地下礼拝堂をもつ四層構造の住居跡で入口や通路を狭く作るなど、要塞のような構造をしています。
スペイン語で「緑の台地」を意味するメサ・ヴェルデは、標高2,600mを超える台地をマツなどの常緑樹が覆っています。アナサジ族によって、かつては崖の上などに集落が作られていましたが、その後断崖の中に住居を移した理由は今も不明です。また、13世紀頃にアナサジ族がこの地を突然捨て去った理由も解っていません。