解説
ノルウェー中部、スウェーデン国境近くのレーロースでは、1644年に銅鉱脈が発見されると、国王クリスチャン4世が隣国スウェーデンに対抗して大規模な鉱山開発を行いました。街の中心には、この街唯一の石造りの建物である白い教会=写真=があり、その鐘楼には労働者のシンボルである交差したカナヅチ(ハンマー)が描かれています。
国策として北極圏にも近いこの地で鉱山開発に従事した労働者たちが、厳しい自然環境と過酷な労働条件の下で築き上げたこの都市は、一度火災で焼失しましたが1679年に再建され、質素な木造住宅や自給自足のための農場などが今も昔ながらの姿で保存されています。銅鉱山は、1977年に300年の歴史を閉じましたが、17世紀の街並を今に伝えています。