解説
フロリダ半島の南端にあるエヴァーグレーズ国立公園は、全米最大の湿地帯にあります。その湿原の上流には、常緑高木や熱帯植物が生育する「ハンモック」と呼ばれる島々が点在しています。その多くは水面上の高さが数cmしかないですが、マホガニーやシダといったさまざまな植物によって、島ごとに独立した生態系が作られています。
世界遺産に登録されているのは、約5,900平方kmに及ぶ湿原全体の約5分の1程度。1947年にアメリカ合衆国政府によって国立公園に指定されているものの、マイアミなど周辺の大都市が大量の生活用水を湿原地帯から水を取っているため、地下水位の低下や水質汚染が進み、2010年の世界遺産委員会で1993年に続き2度目の危機遺産に登録されました。