解説
黄山はかつて「黟山(いさん)」と呼ばれていたが、中国の伝説上の王である黄帝がこの地で仙人になったという伝説にちなんで、唐の玄宗皇帝が「黄山」と改名しました。以来、道教や仏教の聖地として崇められ、数世紀にわたって多くの寺院が建てられました。また16世紀以降は、詩人や画家たちが黄山を題材に優れた作品を残し、中国の芸術・文化においても重要な山になっています。
黄山は古くから「天下の名景(素晴らしい景色)は黄山に集まる」と賞賛されてきました。そうした景色は「黄山四絶(こうざんよんぜつ)」と呼ばれ、奇松、怪石、雲海、温泉が特徴とされています。奇松とは標高800m以上の高地で見られる固有種の「黄山松」のこと。樹齢100年を超えるものも多くあり、その形によって「送客松」や「迎客松」などの呼び名が付けられています。