解説
『富岡製糸場と絹産業遺産群』では、富岡製糸場をはじめ、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴の4つの資産が登録されています。
1872年に明治政府が設立した富岡製糸場では、フランスの技術を取り入れた技術革新により、江戸時代末期より日本の主要輸出品であった生糸の品質向上と大量生産を実現しました。高品質の富岡の生糸は、かつては一部の特権階級のためのものであった絹を一般の人々にまで広め、世界中の人々の生活や服飾文化に大きな影響を与えました。
富岡製糸場の繭倉庫や繰糸場=写真=は、日本古来の木造の柱に西欧伝来のレンガを組み合わせた木骨レンガ造と呼ばれる構造で作られています。壁に使われているレンガは、フランス人技師ポール・ブリュナの指導の下、日本の瓦職人が製造しました。