解説
世界で一番たくさん世界遺産をもつ国がイタリアで、54件もあります。しかし、そのほとんどが文化遺産で、自然遺産は5件しかありません。その数少ない自然遺産のひとつが『エオーリエ諸島』です。
エオーリエ諸島は、イタリア南部のシチリア島の北にある火山島群です。世界遺産には、「火山」という意味の名をもつヴルカーノ島や、諸島の中で一番大きなリーパリ島、「地中海の灯台」との異名をもつストロンボリ島=写真=など、7つの島と5つの小島が登録されています。
エオーリエ諸島の名前は、ギリシャ神話に登場する風の神アイオロス(イタリア語でエオーロ)がこの島々に住んでいたという神話からきています。青く美しい海に囲まれた美しい風景と、活発な火山活動がみられる点が人気で、溶岩を激しく噴き上げるストロンボリ島は、噴火を間近で見ようと毎年多くの観光客が訪れます。また、ジュール・ヴェルヌが小説『地底旅行』で地底からの脱出口をストロンボリ島にしたことでも知られています。