解説
スペインの北西部にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラは、キリスト教の十二使徒のひとりである聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)ゆかりの土地です。9世紀に聖ヤコブの墓が発見されたと伝えられ、ローマ教皇のいるヴァティカンやイエス・キリストが磔(十字架にかけられた)にされたエルサレムと並ぶ、キリスト教の三大巡礼地になっています。そのため、11世紀頃よりヨーロッパ中から多くの巡礼者がこの地を訪れました。今では、サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かうスペインの巡礼路とフランスの巡礼路も、それぞれ世界遺産に登録されています。
聖ヤコブはキリスト教徒になる前、漁師をしていました。ある日、船から網を広げてホタテ貝などをとっていた時にイエス・キリストと出会いキリスト教徒となったため、彼がとっていたホタテ貝が聖ヤコブのシンボルとなりました。巡礼路にはホタテ貝のデザインがあちらこちらにあり、巡礼する人も荷物にホタテ貝をぶら下げて歩いています。