解説
ネパールの南部、インドとの国境にあるヒマラヤ山脈のタライ高原にルンビニーはあります。ここは仏教を開いたブッダ(釈迦)が生まれたとされる場所で、仏教の4大聖地のひとつです。紀元前3世紀頃に仏教を守ったマウリヤ朝のアショーカ王が建てた、ブッダの生誕地を示す石柱や、ブッダが生まれたときに産湯につかった池などが残されています。近くにはヒンドゥー教の信者の多い地域ですが、ブッダの生誕地として多くの仏教の巡礼者が訪れています。
ブッダの呼び名で知られるシッダールタは、紀元前6世紀頃に釈迦族の王スッドーダナと王妃マーヤーの子として生まれました。伝説では、出産のために故郷に向かっていたマーヤーが、その途中のルンビニーの花園で休んだ時に、無憂樹に触れようと手を伸ばした右わきの下から生まれたとされています。また、ブッダは生まれるとすぐに7歩歩くと、右手で天を左手で大地を指差して「天上天下唯我独尊(全ての世界の中で、私が一番尊い)」と言ったそうです。