解説
エルサレムは、イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の3つの宗教の聖地です。実はこの3つの宗教は、同じ一神教を起源としています。
エルサレムの「岩のドーム=写真=」はイスラム教徒にとって非常に重要な聖地です。しかし、岩のドームはモスク(イスラム教の礼拝所)ではなく、中には岩があるだけです。この岩こそが、預言者ムハンマドが神の啓示を受けて天界に旅立った場所とされているのです。この時にムハンマドを導いた大天使ジブリールとは、キリスト教では大天使ガブリエルのことです。このように、キリスト教とイスラム教は共通点がいくつもあります。
この世界遺産は、1000件以上ある世界遺産の中で唯一、エルサレムという実際にはない国が保有国になっています。これは、この地を自分の国の領土にしたいとイスラム教のパレスチナとユダヤ教のイスラエルが紛争を続けているため、どちらの国にも肩入れしないで遺産を守るために、隣国のヨルダンが代理申請して世界遺産になり、危機遺産にもなっています。