解説
アフリカ大陸のタンザニア連合共和国北部に『ンゴロンゴロ自然保護区』はあります。温暖な気候の大草原=写真=に多くの野生動物が生息しているため、「世界の動物園」と呼ばれることもあります。
1951年、タンザニアを統治していた英国政府が、ンゴロンゴロを含むセレンゲティ地域を国立公園に指定しました。しかし、国立公園になると先住民のマサイ族などが伝統的な放牧生活を送れないため、マサイ族は抗議を行いました。その結果、国立公園からンゴロンゴロ地区だけが切り離され「ンゴロンゴロ自然保護区」となりました。現在は、『セレンゲティ国立公園』も世界遺産に登録されています。
もともと、ンゴロンゴロ自然保護区の大部分は火山でした。その噴火で約300平方kmのクレーターが誕生し、その内側には乾季になっても水の絶えることのない沼や霧の立ち込める森林など、豊かな自然が育まれました。ンゴロンゴロとは、このクレーターを指す「巨大な穴」という意味です。