解説
スウェーデン南部のヴァールベリにあるグリメトン無線局は、1920年代に作られた初期の無線送信時代を今に伝える遺産です。現在は使われていませんが、一年に一度の「アレクサンダーソン・デイ」の日に、記念の無線を送っており、現在でも無線を送ることができる初代アレクサンダーソン式の無線機が残されている点も特徴です。
世界遺産に登録されている約1平方kmの敷地には、建設当時にはスウェーデンで最も高かった127mのアンテナ鉄塔=写真=や、送信機の置かれている建物、職員住宅などが残されています。
スウェーデンのグリメトン無線局からは、大西洋を挟んでアメリカ合衆国のロングアイランド(東海岸にある島)まで、太平洋横断無線が送られていました。また1960年代から1996年までは、スウェーデン海軍が潜水艦への無線送信用に使っていました。
グリメトン無線局は、無線の送信が始まった時代を伝える唯一のもので、通信技術の歴史を伝えるものとして、高く評価されています。