解説
ポーランド中部にある首都ワルシャワは、破壊と再建の歴史を歩んできた街です。ヨーロッパの中央にあるポーランドは、国土のほとんどが平らな土地で、外国の軍隊の侵入を防ぐ山などの防壁がないため、何度も周辺の国や他民族の侵略を受けてきました。
ワルシャワは1611年からポーランド王国の首都になりましたが、18世紀後半にはロシアやプロイセン、オーストリアなどに分割され、第一次世界大戦が終わるまで独立は認められませんでした。
第二次世界大戦では、ナチス・ドイツによって占領されてしまいました。ワルシャワの人々は抵抗組織をつくり、1944年の8月1日に蜂起しますが、ナチス・ドイツによって鎮圧され、報復として街も徹底的に破壊されました。街の85%が破壊されたとも言われます。戦後、古い図面や写真、風景画などをもとに「壁のひび一本まで忠実に」復元することを目指し、人々が協力して古い街並をよみがえらせました。今でも8月1日には戦争で亡くなった人々へ1分間の黙祷がささげられています。