解説
フランス北西部、大西洋を望むノルマンディー地方にあるル・アーヴルは、古いフランス語で「港」を意味する名前をもつ港湾都市です。
1940年にヒトラー率いるナチス・ドイツによって占領されましたが、1944年にイギリスやアメリカなどの連合国軍が、ナチス・ドイツに占領されていたフランスを開放する「ノルマンディー上陸作戦」を実行します。その後、ノルマンディー近くのル・アーヴルに対してもイギリス軍の攻撃が始まり、ドイツ軍の激しい抵抗もあって、街の約8割が破壊される大きな被害を出しました。
第二次世界大戦後、街全体が瓦礫の山となってしまったル・アーヴルは、破壊を逃れた歴史的建造物や街並をいかしながら、全く新しい街として生まれ変わりました。その重要な役割を担ったのが、「コンクリートの詩人」とも呼ばれたオーギュスト・ペレでした。戦後復興のモデルとして評価されました。また、印象派の画家クロード・モネが少年時代をすごした街として、多くの人々が訪れています。