解説
南アメリカ大陸の南の端にあるロス・グラシアレス国立公園には、雄大な大氷河地帯が広がっています。ロス・グラシアレスの氷河は、氷の中の空気が少なく、透明度が高いのが特徴です。南米大陸に向かっていつも吹いている西風である偏西風が運んでくる、海の湿った空気がアンデス山脈にぶつかって雪を降らせ、一年中降り積もります。その重みで雪が圧縮され、空気の少ない青い氷河を作り上げるのです。透明度が高い氷河は波長の長い青い光をよく反射し、氷河全体が青く見えます。
ロス・グラシアレスとは、スペイン語で「氷河」という意味です。最も大きいウプサラ氷河や、最も活動的なペリト・モレノ氷河など大型の氷河が47、小型の氷河が200以上もある、世界第3位の大きさを誇る氷河地帯です。
氷河は普通、年に数mしか動きませんが、ペリト・モレノ氷河は年間に600~800mも移動します。そのため、夏には氷河の端が度々ごう音を響かせながら湖に崩れ落ちます。また、ウプサラ氷河は琵琶湖とほぼ同じくらいの大きさです。