解説
フランス第二の都市リヨンは、フランスの南東部のローヌ川沿いにあります。紀元前1世紀にローマ人に植民都市として作られ、2世紀にはこの地域の中心都市として栄えました。14世紀はじめころにフランス王国に併合されると、絹織物交易の中心地として発展します。日本の富岡製糸場に製糸技術を伝えたフランス人技師ポール・ブリュナもリヨン近くの街出身でした。またイタリアに近く、洗練された食文化が早くから伝わったこともあり、現在も食文化の街としても有名です。
リヨン出身の有名な小説家が『星の王子さま』を書いたサン・テグジュペリです。彼は小説家でありながら、サハラ砂漠で郵便物を運ぶ飛行機のパイロットをしていたこともありました。そのときの経験などから、愛や幸福、絆などを問いかける『星の王子さま』を書き上げました。たくさん咲くバラのなかの一本だけを愛すのはなぜなのか、「ものは心で見るんだ。肝心なことは目では見えない。」など、読むと深く色々なことを考えさせてくれます。