解説
『オオカバマダラ蝶生物圏保存地域』は、メキシコ中部の山脈中にあるオオカバマダラ蝶の越冬地を守るための生物圏保存地域です。この保存地域には、秋から冬にかけてオオカバマダラ蝶が北米各地から南下してきます。その数は、多い年だと10億羽にもなり、木々を蝶が覆い隠してしまうほどです。多くの蝶がとまった木はその重みで枝が折れてしまうことも稀にあるそうです。メキシコでは寒いときは飛び回らず木にとまってじっとしていますが、日が当たって暖かくなってくると活動を始めます。
オオカバマダラ蝶のすごいところは、その移動距離です。北米のアメリカやカナダなどからメキシコまで、3,000km以上も飛んで移動するのです。北米から南下するときには風に乗って1世代でやってきますが、メキシコから北米へ帰るときは、4世代ほどの世代交代をしながら移動します。曾おじいちゃんや曾おばあちゃんがメキシコを飛び立って、そのひ孫の小学生がやっとカナダにたどり着くイメージです。