解説
紀元前1世紀ころ、朝鮮半島では巨石を使った埋葬施設である支石墓が数多く作られました。支石墓とは、巨大な石の板を石の塊で支えた墓のことです。支石墓は西ヨーロッパで多く発見されました。その多くがあったフランスのブルターニュ地方の言葉「ブルトン語」で、「石の机」を意味する言葉から「ドルメン」とも呼ばれます。韓国には、現在世界中で残されている支石墓の半数近くがあり、世界で最も多くの支石墓が集中している地域と考えられています。
世界遺産には、高敞と和順、江華の3つの地域に残る支石墓800基近くが登録されています。韓国の支石墓は地域によって形が異なっています。江華は2枚の垂直な岩板で天井石を支える「北方式(写真)」と呼ばれる様式です。和順は4個の支石の上に蓋石を置く碁盤形の「南方式」、高敞は「北方式」と「南方式」が混在しています。
日本でも長崎県の原山支石墓群などで支石墓が発見されていますが、弥生時代の初め頃に作られなくなりました。