解説
トルコのイスタンブルは、アジアで一番西にある都市です。アジアとヨーロッパが接する場所にあるのです。そして都市そのものも、ボスフォラス海峡をはさんで、アジア側のアナトリア半島とヨーロッパ側のバルカン半島の両岸に広がっていて、東西の文化を結ぶ架け橋となっています。アヤ・ソフィア=写真=やトプカプ宮殿など歴史的な建物が多く残り、世界遺産にも登録されている歴史地区は、トルコの国土のほとんどがあるアナトリア半島ではなく、海峡西岸のヨーロッパ側にあります。
イスタンブルは、交易に適していた上に、三方を海に囲まれ軍事的な価値も高かったため、古くからさまざまな国に支配されてきました。500年ほどイスラム教の支配下にありましたが、トルコ共和国が脱イスラム国家を目指したため、アヤ・ソフィアはキリスト教のモザイク画とイスラム教のミナレットの両方が一緒に見られる、世界的にも珍しい建物として無宗教の博物館になっています。