解説
来年、日本で開催される国際的なスポーツイベントは「近代オリンピック」と呼ばれるものです。19世紀末にフランスのクーベルタン男爵が、世界中の国が参加するスポーツ大会を提案して始まりました。男爵が参考にしたのが、古代ギリシャで行われていた「オリンピアの祭典」です。
ギリシャのオリンピアでは、今から2,800年ほども前に、ギリシャ神話の最高神ゼウスに捧げるスポーツ大会「オリンピアの祭典」が4年に1度開かれていました。ギリシャにはいくつものポリス(都市)があり、それぞれのポリスを代表する自由で平等な市民がスポーツで競い合う祭典は、古代ギリシャ人が考えていた「人間の美しさ」や「人間中心の考え方」をよく表していました。最も盛んなときには、地中海沿いのギリシャ世界各地から参加者が集まり、オリンピック期間中には戦争も中断されたそうです。
オリンピアにはフィリペイオンと呼ばれる記念碑や神殿のほか、競技場のスタディオン、体育館のギムナシオンなどが残されています。