解説
アフリカ大陸の北東部にある『メロエ島の考古遺跡』は、紀元前3世紀から後4世紀にかけて、クシュ王国の中心地だった場所です。クシュ王国は、アフリカ最古の黒人による国家でした。クシュ王国は、前半のナパタ文化と後半のメロエ文化に分けられます。
クシュ王国の起源は、ナパタ文化の中心地であった植民都市ナパタを古代エジプトの王(ファラオ)であるトトメス3世が築いたことにあります。その後、ナパタを首都とするクシュ王国が誕生し、紀元前8世紀頃には、逆にクシュ王国のピアンキ王がエジプト全域を支配していました。
メロエは、そうしたクシュ王国最盛期に都となった都市です。ピラミッドや寺院、住居建築などのほか、主要な施設への水利システムなども残されています。また、メロエは鉄鉱石が豊富に取れたため、製鉄技術が発展し、アフリカ黒人史上最初の鉄器製造の中心地となりました。鉄器を交易品としてインドや中国などとも交易を行っており、豊かな地域であったことがわかっています。