解説
アフリカ大陸南部にあるナミビア共和国の海岸沿いにナミブ砂漠はあります。川や海流、風などによってアフリカ南部の内陸部から数千kmの距離を運ばれてきた砂によって砂漠はできています。内陸部から川を流れてきた砂が海からの風によって押し戻されて、砂丘を作り上げます。その時、砂に鉄分がくっつき酸化するため、白かった砂が酸化鉄の赤色に変色して、ナミブ砂漠は赤色に見えます。
この地域は年間降水量が120mm以下の雨の少ない地域ですが、2~3日に一度、海から濃い霧が流れ込み、内陸部の奥深くまで広がります。朝の風にのると、内陸100kmほどまで霧が流れ込むといいます。これが一帯で生息する動植物にとっての貴重な水分となっています。
「ナミブ」とは、現地の主要民族であるサン族の言葉で「なにもない」という意味です。南北1,300kmほどもあるナミブ砂漠は、約8,000万年前に誕生したと考えられており、世界でも最も古い砂漠のひとつです。