解説
オークニー諸島は、英国の北の端、スコットランドの海岸線から北に約15kmの沖合にあります。諸島の中で最も大きなメインランド島にある4つの古代遺跡が世界遺産に登録されています。それらの古代遺跡は紀元前4000年ころから北西ヨーロッパに定着した農耕文化の様子を今に伝えています。
その中のひとつスカラ・ブラエ=写真=は、19世紀中ごろまで砂の下に埋もれていました。しかし嵐によって一部が砂の中から現れ、偶然発見されたのです。砂に守られていたためよい保存状態で残されていました。スカラ・ブラエは村落跡で、住居内には食器などの家財をしまう棚や衣装棚、椅子、簡単なトイレなどが残されています。紀元前4000年頃の人々が高度な技術をもって生活していたことが分かります。
ほかにも、楕円状の立石が並ぶストーンズ・オブ・ステネスや、36個の環状列石や古墳が残るリング・オブ・ブロッガー、大きな石室をもつ墳墓で冬至の日没方向を示すメイズハウなどが登録されています。