解説
北アメリカ大陸の西部、カナダのアルバータ州とアメリカ合衆国のモンタナ州にまたがる『ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園』は、ロッキー山脈で結ばれたカナダのウォータートン湖国立公園と、アメリカ合衆国のグレーシャー国立公園が1932年に統合されて誕生した、世界で初めての国際平和公園です。ふつう国立公園は、それぞれの国が管理していますが、ウォータートン・グレーシャー国際平和公園ではふたつの国が共同で自然環境を管理しています。
ロッキー山脈の中央に位置するこの公園は、その95%以上が手付かずの自然のままであり、造山活動によってできたチーフ・マウンテン=写真=などの山や、氷河が削った渓谷、美しい青色を見せる湖などが作り上げる自然の景観美が、世界遺産の価値のひとつとなっています。また、グリズリーやカナダオオヤマネコなどの貴重な動物や、1,000種を超える種類の植物などが見られ、貴重な自然環境を守るユネスコの生物圏保存地域にも指定されています。