解説
カルタゴの殖民都市として栄えたこの街は、初のアフリカ出身のローマ帝国皇帝セプティミウス・セウェルス帝が生まれた地として有名です。セプティミウス・セウェルス帝が都市整備を積極的に行い、北アフリカ有数の都市として全盛期を迎えたため、既にあった都市レプティスと区別してローマ時代より「偉大なレプティス」と呼ばれていました。
ローマ帝国の衰退に続くイスラム勢力の侵入によって街は破壊され、やがて砂漠へと埋もれていきます。しかし砂に埋もれていたため風化が進んでおらず、1921年から始まった発掘調査で、ローマを髣髴とさせる見事な円形劇場や凱旋門、バシリカなどが保存状態のよいまま発見されました。ローマ時代の建築や装飾技術を知る上で重要な遺産となっています。