解説
現在、北アフリカ最大級のモスクであるフェズの旧市街の中心にあるカラウィーン・モスクには、付属のマドラサ(イスラム神学校)があり、10世紀には大学に相当する機能を持っていました。
イスラム最古の大学のひとつカラウィーン大学の前身であるこのマドラサでは、イブン・ハルドゥーンなどの著名な学者達が教鞭をとっていました。
モロッコ最古のイスラム王朝である、イドリース朝のイドリース1世によって8世紀末に建設されたフェズは、宗教や学問の中心だけでなく商業の要として発展しました。
すり鉢状の谷の斜面に作られた街は、外敵の侵入に備えて迷路のような作りになっており、その複雑さはクジャクの羽や扇子の骨などに例えられます。