世界遺産取り消しになった「ドレスデン・エルベ渓谷」
Q.
「ドレスデン・エルベ渓谷」はドイツ東部の古都ドレスデンを貫く形で流れる エルベ川のほとりにある地域で2004年に世界遺産に登録されました。
川沿いの草原や丘陵には当時を偲ばせる華麗な宮殿や庭園、そしてワイン用のブドウ園などが点在している他、19世紀の産業革命時代の鉄橋や鉄道、造船所などが残されており、豊かな自然と美しい景観が広がっています。
しかし同遺産は、2009年6月25日、世界遺産から取り消しになってしまいました。
オマーンのアラビアオリックス保護区に続き、今回で2件目となります。
さて、ここで問題です。
「ドレスデン・エルベ渓谷」が世界遺産から取り消しになったのはなぜでしょう?
【1】 エルベ川にダムを乱造したため
【2】 エルベ川両岸を結ぶ橋の建造計画が進んだため
【3】 悪天候が続き、川沿いの草原やブドウ園が枯れて荒れ果ててしまったため
【4】 管理体制の不備により、宮殿や庭園の美しい景観が失われてしまったため
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※せかけんクイズの内容は実際の試験問題とは異なります。
解説
「ドレスデン・エルベ渓谷」は2006年にエルベ川の新たな架橋計画が歴史的景観を損なう恐れがあるとして、危機遺産に登録されました。にもかかわらず、橋の建設は進められ、ついに2009年6月25日に世界遺産リストからの削除が決定してしまいました。
この架橋計画は、交通の利便性向上を目的として住民投票で決まったものでしたが、建設推進派と反対派(遺産登録推進派)との間では、あつれきが生じていました。
世界遺産の保全と地域住民の生活権の問題は、今後も多くの地域で考えていかなくてはならない大きな課題です。