解説
キリマンジャロは、約75万年前の火山活動で生まれた、アフリカで一番高い山です。噴火を繰り返し、巨大な火口から流れ出た溶岩が重なり合って美しい円錐形の形になった成層火山と呼ばれるものです。富士山も同じ成層火山です。
山の中央には、3つの峰が並んでいます。中でも一番高いキボ峰は現在も活動を続ける活火山です。山のふもとは暑く乾燥した熱帯サバンナですが、山頂は万年雪に覆われているため、アフリカでは神秘的な山と考えられています。そのため現地の言葉で「輝く山」と呼ばれています。
1848年に、キリマンジャロを見たドイツ人宣教師のヨハン・レープマンが、アフリカにも雪を頂く山があることをヨーロッパで報告しましたが、誰も暑いアフリカに雪があるとは信じませんでした。後に地理学者ハンス・マイヤーが山頂付近まで登り雪があることを確認しました。1936年に小説家ヘミングウェイが小説『キリマンジャロの雪』を発表すると、キリマンジャロは世界的に知られる山となりました。