解説
クロンボー城は、デンマークの首都コペンハーゲンから北に約30kmの海に面した岬にたっています。幅10km弱の海を挟んでスウェーデンと面しており、要塞としての役割と、海を通る船から通行税を取る拠点としての役割をもっていました。16世紀には、デンマーク国王フレゼリク2世が大規模な改修をして、王宮としての機能ももつルネサンス様式の建物に生まれ変わりました。17世紀には大部分が火災で焼失してしまいましたが、通行税を値上げするなどして費用をつくりだし、バロック様式を加えて再建されました。
この城がモデルとなっているのが、イギリスのウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』です。正式な題名は「デンマーク王子ハムレットの悲劇」で、王である父を叔父に殺されたデンマーク王子のハムレットが、叔父を倒して復讐を果たす物語です。シェイクスピアの四大悲劇のひとつとされています。「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。」という有名な台詞を聞いたことがある人もいるかもしれません。