解説
太平洋とアンデス山脈に挟まれたナスカとフマーナ平原には、700以上の巨大な地上絵が描かれています。地上からは全体を見ることのできないほど大きな絵は、20世紀初頭から、この地を飛行するパイロットの間では有名でした。ナスカ文化を築いた人々が、紀元前2~紀元7世紀ごろに描いたと考えられていますが、地上から見えないほどの大きな絵の描き方や、何のために描いたのかなど、まだまだ多くの謎に包まれています。
地上絵はサルやコンドル、ハチドリ=写真=などのほか、神の使いと考えられた5本指(奇形)のイヌ(もしくはジャッカル)の絵や、宇宙飛行士と呼ばれる頭を円く囲った人物の絵などもあります。そのほかにも、直線や渦巻きなどの図形も残されています。
この地域は、黄土色の地層の上に5~10cmほどの黒い小石や土の層が乗っており、黒い表面を削って黄土色の地層を見せるだけで、くっきりとした地上絵を描くことができました。また年間の降水量が10mm以下なので、絵が消えずに残っています。