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世界遺産の勉強をすると実際に行きたくなる! という話をよく聞きます。世界遺産の勉強をした人は遺産のどこに興味をもち行きたくなるのでしょうか。世界遺産検定事務局では、2016年12月実施の世界遺産検定公開会場で受検者アンケートを実施しました。世界遺産に関心が高く学習もしてきた受検者の回答には、なんと296ヵ所もの世界遺産が並び、学習した人ならではの視点が見えてきたので紹介します。
モン・サン・ミシェルとその湾
<フランス共和国>文化遺産
圧倒的な人気を誇ったモン・サン・ミシェル。海に浮かぶ幻想的な姿だけでなく、世界遺産の価値でもある聖ミカエルの伝説やさまざまな建築様式、歴史など、学ぶことで魅力の多彩さに触れた人が多かったようです。
屋久島
<日本国>自然遺産
「植物の垂直分布」や日本の自然遺産で唯一認められた「自然美の価値」など、学習した人ならではの意見が多く見られました。
受検者のコメント
- 日本で唯一評価されている自然美を見てみたいから。(女性、2級)
- ヤクスギを自分の目で見て、手で触れてみたいと思ったから。(男性、3級)
マチュ・ピチュ
<ペルー共和国>複合遺産
古代ロマンへと導くマチュ・ピチュから興味をもって世界遺産を学びはじめ、学んでさらに魅力にとりつかれる人が多いようです。
受検者のコメント
- 古代の不思議な神秘さを感じたいと思ったため。(女性、3級)
- 元々興味があったが学ぶ上でその凄さを再認識させられたから。(男性、3級)
男女で違う!
行きたいエリア
同じ世界遺産の勉強をしていても、男性と女性では行きたくなる地域が違うのでは!? 調べてみると、全体としての傾向は似ていますが、男性と女性で異なる特徴が見られました。ここでは、「勉強して行きたくなった世界遺産」を男女別に集計して、その上位15件の遺産の地域ごとに分布を紹介します。
男性と女性でまず違いが出たのは、女性が海外の遺産、なかでも西ヨーロッパの遺産を選ぶことが多かったのに対し、男性は日本の遺産の比率が高く世界の遺産でも地域が分散する傾向にありました。特に女性は『モン・サン・ミシェルとその湾』の人気が高くダントツの票を集めました。また男性は自然遺産の割合も高く、10位以内で見ると半分が自然遺産になっており、文化遺産が6割を占める女性と違いが出ました。コメントからは、男性が自然の雄大さに、女性が文化遺産の美しさに惹かれる傾向があることが見えてきます。
世界遺産にはこんな魅力も!
勉強したからこそわかる
ここでは世界遺産学習をした人ならではの、一歩踏み込んだコメントを紹介します。ゴシック建築の特長である建物への光りの入り方や、珍しい形の屋根が作られた歴史的背景、「負の遺産」を将来に伝えていきたいという思いなど、学んだことで手に入れた「視点」で世界遺産を見たいという意見が多くありました。
ケルンの大聖堂
<ドイツ連邦共和国>文化遺産
ゴシック建築を代表する大聖堂のひとつで、ステンドグラスを通した色とりどりの光りが照らす内部は天上の楽園そのものです。
受検者のコメント
- 建物内の光の入り方を生で見たいと思った。(女性、2級)
ルーネンバーグの旧市街
<カナダ>文化遺産
イギリスが建設したカラフルな植民都市。遠い本国で道路が設計されたため、実際の土地の起伏とあっていないところもあります。
受検者のコメント
- 格子状の道路と均一な道幅でつくられた街をみてみたいから。カラフルな住宅群もみてみたいから。(女性、2級)
広島平和記念碑(原爆ドーム)
<日本国>文化遺産
2016年にオバマ米国大統領(当時)も訪れた原爆ドーム。学ぶほどに平和への思いを強くする世界遺産を代表する遺産のひとつです。
受検者のコメント
- 過去の事実と真剣に向き合い、後世につたえていきたい、原爆という事実を理解し、わすれたくないと思ったから。(女性、3級)
写真:(上から)fotolia(Pixel & Création)、iStock(yakushige)、Stock(coopermoisse)、fotolia(John Smith)、iStock(ImagineGolf)、iStock(somphop)
受検者のコメント