特別編 こんなに違う!?
「卒業旅行」と「『大人』の修学旅行」で訪れたい世界遺産
世界遺産検定の受検者は、小学生から80代以上までという、幅広い年齢層が特徴です。学生の受検者と社会人以上の受検者で、行きたい世界遺産に差が出るのか、学生の受検者には「卒業旅行で行きたい世界遺産(以下、卒業旅行)」を、社会人以上の受検者には「『大人』の修学旅行*で行きたい世界遺産(以下、修学旅行)」をお聞きしました。文化遺産が占める割合が高い中、「卒業旅行」では特にヨーロッパの文化遺産が選ばれ、「修学旅行」では「負の遺産」と考えられる遺産がトップテンに2件も入りました。「卒業旅行」と「修学旅行」のそれぞれの特徴が出た遺産4件を紹介します。
* 学生時代が終わっても、生涯学習として様々な事柄を学び続ける方が多くいらっしゃるため、単なる「観光旅行」ではなく、旅を楽しみながら旅先で多くを学び人生を豊かにする旅行を、ここでは「『大人』の修学旅行」と定義させていただきます。
卒卒業旅行で行きたい世界遺産
修大人の修学旅行で行きたい世界遺産
修大人の修学旅行で行きたい世界遺産
卒2位修20位
ヴェネツィアとその潟<イタリア共和国>文化遺産
水面に映る街の姿やゴンドラの浮かぶ運河が魅力のヴェネツィア。若者に人気のテーマパークのイメージにも使われるなど、非日常的な街並は卒業旅行で訪れるのにぴったりの美しい都です。
卒9位修4位
古都京都の文化財<日本国>文化遺産
卒業旅行と修学旅行どちらのアンケートでもトップテンにランクインした京都。日本を代表する古都はさまざまな表情をもっており、何度訪れても新たな発見がある奥深さが、多くの世代を根強く魅了しています。
受検者のコメント
- 元々雰囲気が好きで、学んでから再び訪れたいと感じたから。(男性、10代学生、3級)
- 学生時代にはなんとなく見ていた遺産も大人になってから新たな魅力や発見できると思うから。(女性、30代会社員、3級)
卒10位修6位
フィレンツェの歴史地区<イタリア共和国>文化遺産
「花の都」と称される、イタリアでも人気の街フィレンツェは、街全体が美術館のよう。歴史も芸術も楽しめる古都として、どの世代からも両方を味わいたいという意見が多くありました。
受検者のコメント
- 町並みが美しく、イタリアなので学生でも行きやすいし、実際に行く計画をたてていました。(男性、10代学生、3級)
- 歴史を知った上でそれを実感しながら楽しめる場所だと思うから。10代ではじっくり見たいと思っていなかった美術作品も、ゆっくり見たい(女性、20代パート・アルバイト、3級)
卒34位修5位
アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
<ポーランド共和国>文化遺産
人間の非人道性を強く見せ付けるこの遺産を訪れ教訓とすることは、「修学旅行」にふさわしいという意見が多くを占めました。社会に出て、酸いも甘いも噛み分けた「大人」が、より深く世界を知りたいと考えた時に訪れたい遺産といえます。
受検者のコメント
- 人間のやみの部分を知りつつ、よりよい人生を生きるため。(女性、30代会社員、3級)
- 人間は、ここまで残酷なことができるということを肌で感じることでいま当たり前に生活できていることを身を持って感謝できるから。また自分がそうならないための戒め。(女性、20代会社員、3級)
写真:(上から)小泉澄夫、k.emi、iStock(Michal Krakowiak)、iStock(YMZK-photo)
受検者のコメント