世界遺産ランキング 2025年版

世界遺産は勉強すると実際に行ってみたくなるもの。昨年に続き、世界遺産検定事務局では、2024年11~12月「第58回検定」の受検者を対象に、「勉強して行きたくなった」世界遺産のアンケートを実施しました。受検者は勉強してからどんな世界遺産に行ってみたくなったのでしょうか?その結果を今回もお知らせします!

TOP3は前年から変化がなく、不動の人気を誇っています。また、完成間近のサグラダ・ファミリア贖罪聖堂(アントニ・ガウディの作品群)や、訪問税が導入されながらも過去最高の来島者数を記録した宮島の厳島神社など、この一年話題の多かった遺産が上位にランクインしました。

昨年登録されたばかりの「佐渡島の金山」は、惜しくもTOP10入りはならなかったものの、多くの票を集めて11位にランクインしています。

自分の知っている遺産がどの順位に入っているか、上位の遺産で知らないのはどんなものか、そして前年のランキングとどのぐらい変わっているか、ぜひ注目してみてください。また、番外編として「勉強して衝撃を受けた」「知ることができてよかった」世界遺産のランキングを後半でご紹介しています。あまりなじみのない遺産も発見できるかもしれませんので、ぜひご覧ください!

勉強して行きたくなった世界遺産 TOP10

モン・サン・ミシェルとその湾 <フランス共和国>文化遺産

前年に引き続き、頭一つ抜け出した票数を獲得したモン・サン・ミシェルが1位でした。映画のモチーフにもなっている、潮の満ち引きで変わる美しい景色が有名ですが、歴史を学んだことでさらに行きたくなった人が多いようです。

受検者のコメント

  • 干潮時と満潮時の絶景を見てみたい。
  • テキストの写真を見て、神秘的で現実にあるものと思えなかった。
  • 大天使ミカエルのお告げから始まる歴史的背景が面白く、湾の風景がきれいで一度見てみたい。

屋久島 <日本国>自然遺産

2位も前年と同じく、日本の自然遺産である屋久島でした。樹齢1,000年を超える屋久杉などの大自然を体感したい人や、屋久島を通じて世界遺産の登録基準を学んだことを理由に挙げている人が多く見られました。

受検者のコメント

  • 1,000年の重みと自然に対する畏怖を感じたい。
  • 洋上のアルプスが気になった。
  • 自然や登山が好きで日本百名山でもある宮之浦岳に登ってみたい。

イエローストーン国立公園 <アメリカ合衆国>自然遺産

3位も前年と同じで、アメリカの自然遺産・イエローストーン国立公園がランクイン。鮮やかな色彩のグランド・プリズマティック・スプリングなどの自然美で知られており、「世界初の国立公園」かつ「世界で最初の世界遺産の一つ」であることが印象に残っている人が多いようです。

受検者のコメント

  • 世界で最初の世界遺産であることとオールド・フェイスフル間欠泉を見たい。
  • 吹き出す熱湯がとても印象的で自分の目で見てみたいと感じた。
  • ウィルダネスという手つかずの自然、そしてなんといっても世界初の国立公園を見てみたい。

アントニ・ガウディの作品群 <スペイン>文化遺産

ガウディが残した建築群が今回ランクアップ。元々人気の高い遺産ですが、100年以上にわたって建設が続くサグラダ・ファミリア贖罪聖堂が完成間近で話題が増えたことも関係していそうです。

受検者のコメント

  • ガウディの天才的なデザインの数々はとても魅力的で、実際に素材や色や空気感を感じてみたい。
  • 実際に行って見てみたいし「生誕のファサード」の彫刻に日本人が関わっていることが気になった。
  • グエル公園がすごく色鮮やかな見た目でかわいいと思ったのと、ガウディと後継者たちが建設した有名なサグラダ・ファミリアを見てみたい。

マチュ・ピチュ <ペルー共和国>複合遺産

昨年より1つ順位を落としたものの、根強い人気を誇るマチュ・ピチュ。アンデスの山中に忽然と姿を現すインカ帝国の空中都市は、勉強すると一層さまざまな想像力がかき立てられるようです。

受検者のコメント

  • 標高2,400m以上もある険しい山の山頂にある美しくて、幻想的な世界観を実際に行って感じてみたいなと思った。
  • 知れば知るほど、謎に包まれたインカ帝国の都市遺跡に行ってみたい。
  • まだ行ったことがない、そして太陽信仰が強かったことを知り意識して直接見てみたくなった。

アルベロベッロのトゥルッリ <イタリア共和国>文化遺産

第54回検定でメインビジュアルになり昨年8位にランクインした遺産ですが、今年はさらにランクアップ。名前の響きや、取り外しが可能な特徴的な屋根のエピソードが印象に残る人が多かったようです。

受検者のコメント

  • 初見時の名前のインパクトと、見た目のかわいさのギャップが刺さって好きになった。
  • この地域特有の、特徴的な家屋の形態に惹かれた。
  • 屋根がすべて石でできているのがすごいと思った。

小笠原諸島 <日本国>自然遺産

日本列島から約1,000km南の太平洋に浮かび、独自の生態系を有する自然遺産・小笠原諸島が昨年より順位を上げてTOP10入り!気軽には行けないだけに、勉強して詳しく知ると行きたい気持ちが強くなるようです。

受検者のコメント

  • 行くのはなかなか困難だが、歴史を知ったことで、より行きたくなった。
  • 見たことのない固有種を見てみたい。
  • 似ている遺産がガラパゴス諸島で、昔から行ってみたかったところだから。

厳島神社 <日本国>文化遺産

訪問税の導入が話題になりましたが、2024年には過去最高の来島者数を記録した厳島神社が大幅ランクアップ。景観が印象的なのはもちろんですが、勉強して細部を知ると一層自分の目で見てみたいという気持ちになるようです。

受検者のコメント

  • 景色がきれいで、海のなかにある鳥居が興味深い。
  • 教科書に載っていた自然と融合した両部鳥居の写真が見事だった。
  • 弥山にも登りたくなった。

姫路城 <日本国>文化遺産

登録30周年の節目を過ぎましたが、人気は健在。「白鷺城」と称されるその美しい外観と建てられてから現在に至るまでの歴史、さまざまな機能性が人々を惹きつけています。

受検者のコメント

  • 現存する日本の木造城郭建築の最高傑作。
  • 江戸時代から現代まで焼失などすることもなく、それぞれの時代で大改修が行われ現代まで引き継がれているため、一度訪れてみたい。
  • 白鷺城と称される姫路城は美しい外観でありながら、来襲に備えた仕掛けが随所に見られるというギャップに興味が湧いた。

タージ・マハル <インド>文化遺産

インドの霊廟、タージ・マハルは昨年と同順位。白大理石で造られた左右対称の建築の美しさとともに、国王が王妃のために建てたストーリーに感銘を受ける人が多くいました。

受検者のコメント

  • とても美しくて細かい造形も肉眼で見てみたいと思った。
  • 王様の妃への強い愛情が建設理由だと知り、かわいいなあと思った。
  • 王とムムターズ・マハルの出会いの話が素敵だった。
勉強して行きたくなった世界遺産 TOP50の一覧
順位 遺産名 国名 ポイント 順位変動
1位 モン・サン・ミシェルとその湾 フランス共和国 60
2位 屋久島 日本国 53
3位 イエローストーン国立公園 アメリカ合衆国 46
4位 アントニ・ガウディの作品群 スペイン 45 +3
5位 マチュ・ピチュ ペルー共和国 35 -1
6位 アルベロベッロのトゥルッリ イタリア共和国 34 +2
7位 小笠原諸島 日本国 28 +5
7位 厳島神社 日本国 28 +11
9位 姫路城 日本国 27 -4
9位 タージ・マハル インド 27
11位 ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまで エジプト・アラブ共和国 25
11位 佐渡島の金山 日本国 25 NEW
13位 ケルンの大聖堂 ドイツ連邦共和国 24 -7
14位 文化交差路サマルカンド ウズベキスタン共和国 23 +14
14位 ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑 ポーランド共和国 23 +13
16位 メンフィスのピラミッド地帯 エジプト・アラブ共和国 22 -2
17位 知床 日本国 20 -7
17位 白川郷・五箇山の合掌造り集落 日本国 20 +6
19位 古都京都の文化財 日本国 18 +28
20位 パリのセーヌ河岸 フランス共和国 16 +3
20位 シーギリヤの古代都市 スリランカ民主社会主義共和国 16 +9
22位 日光の社寺 日本国 15 +11
22位 紀伊山地の霊場と参詣道 日本国 15 +35
22位 メテオラの修道院群 ギリシャ共和国 15 +7
22位 ヴェルサイユ宮殿と庭園 フランス共和国 15 +18
26位 シェーンブルン宮殿と庭園 オーストリア共和国 14 +5
26位 ヴェネツィアとその潟 イタリア共和国 14 -8
28位 アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945) ポーランド共和国 13 -7
28位 白神山地 日本国 13 -5
30位 イスタンブルの歴史地区 トルコ共和国 12 -13
30位 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群- 日本国 12 -17
32位 グレート・バリア・リーフ オーストラリア連邦 11 -10
32位 シャーク湾 オーストラリア連邦 11 +77
32位 ドゥブロヴニクの旧市街 クロアチア共和国 11 +5
32位 ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石群 トルコ共和国 11 +37
32位 明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業 日本国 11 +123
32位 エローラーの石窟寺院群 インド 11 +123
37位 ラパ・ニュイ国立公園 チリ共和国 10 +13
37位 ヴァティカン市国 ヴァティカン市国 10 +31
37位 カステル・デル・モンテ イタリア共和国 10 +72
41位 プラハの歴史地区 チェコ共和国 9 +19
41位 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 日本国 9 +17
41位 富士山─信仰の対象と芸術の源泉 日本国 9 -7
41位 広島平和記念碑(原爆ドーム) 日本国 9 -18
41位 ウルル、カタ・ジュタ国立公園 オーストラリア連邦 9 +68
41位 テオティワカンの古代都市 メキシコ合衆国 9 +60
47位 隊商都市ペトラ ヨルダン・ハシェミット王国 8 +58
47位 カナイマ国立公園 ベネズエラ・ボリバル共和国 8 -31
47位 ロス・グラシアレス国立公園 アルゼンチン共和国 8 -6
47位 法隆寺地域の仏教建造物群 日本国 8 -15
47位 ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献 フランス共和国、ベルギー王国、スイス連邦、インド、アルゼンチン共和国、ドイツ連邦共和国、日本国 8 +13
47位 ジャイアンツ・コーズウェイとその海岸 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) 8
47位 オルチア渓谷 イタリア共和国 8 +24
写真クレジット(上から):Willy Mobilo/Adobe Stock、Akatsuking/Adobe Stock、Zack Frank/Adobe Stock、9parusnikov/Adobe Stock、LautaroFederico/Adobe Stock、Jack78/Pixabay、ii_tomoaki/Adobe Stock、funboxphoto/photoAC、chanchai/Adobe Stock、efired/Adobe Stock

【番外編1】勉強して衝撃を受けた世界遺産 TOP30

番外編その1は「勉強して衝撃を受けた世界遺産」を調査しました。「衝撃」にも色々あると思いますが、いわゆる「負の遺産」や戦争・紛争により危機にある遺産が多く上位にランクインしました。TOP10を比較すると10個中8個が「勉強して行きたくなった」にはなかった遺産。詳しく見てみましょう。
※ここまでに既出の遺産は省略しています。

ゴレ島 <セネガル共和国>文化遺産

2位と約2倍の票差でトップに立ったのはかつての奴隷貿易の拠点、ゴレ島でした。奴隷貿易の存在自体は知っていても、その歴史を生々しく伝える遺産があることは勉強するまで知らなかったという人が多いようです。

受検者のコメント

  • 「奴隷の家」について初めて知って衝撃を受けた。
  • 負の遺産といえば、原爆ドームやアウシュヴィッツ収容所などしか知識としてなかったが、負の遺産の学習を通して知見が広がった。
  • 歴史の授業で習っているはずの「奴隷貿易」について、日本ではなじみがない話題ではあるけれど、それを証明する遺産が残っているという事実を思い知った。

アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945) <ポーランド共和国>文化遺産

ナチス・ドイツによって大勢の命が失われた場所であり、その残酷さを痛感したという意見が多く見られました。2025年は第二次世界大戦が終結してから80年の節目の年です。

受検者のコメント

  • 原爆もひどいが、人類のむごさを再認識した。
  • ナチスのことは何となく授業などで知っていたけど、詳しく調べてみると本当に悲惨な出来事が起こっていたのだと衝撃を受けた。
  • SNSで見ただけで重みを感じたので直接見学してみたいと思った。

メテオラの修道院群 <ギリシャ共和国>複合遺産

岩山の頂に建つ修道院群の特異で神々しい景観と、そこに修道院を築いた修道士たちの精神に驚いた人が多いようです。ちなみに「メテオラ」はギリシャ語で「中空に浮く」という意味です。

受検者のコメント

  • まず写真を見てそのインパクトに衝撃を受けた。山の上の岩の上で生活をしている人たちがいるということが、今の自分からは想像もつかない。
  • 縄はしごや滑車のほかに手段がない時代にそれらを使ってあんなに高いところに修道院を作ったことに驚いた。
  • 命がけで修道院を築いた魂がすごいなと思った。

広島平和記念碑(原爆ドーム) <日本国>文化遺産

学校などで一度は学ぶ広島の原爆ドーム。改めて詳しく知ることで当時の状況に衝撃を受けたり、世界遺産として登録された経緯や意味を知る人が多かったようです。

受検者のコメント

  • 世界遺産の勉強を始めるまで何の気なしに見ていたが、建物本体の遺産的価値ではなく、平和活動を象徴するモニュメントとして評価を受けていたことに驚いた。
  • 資料館にも行ったことがあって、現地で学んだが、本当に日本で起きたこととは信じられなかった。
  • 核兵器の恐怖を改めて実感し、戦争の恐ろしさを後世に伝えていかなければならないと感じた。

バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群 <アフガニスタン・イスラム共和国>文化遺産 危機遺産

2003年から危機遺産に登録されており、破壊の痕跡が生々しく残るその姿に衝撃を覚えたという意見が多く見られました。勉強したことで、日本が修復に協力しているということを知った人もいたようです。

受検者のコメント

  • 爆破される様子はビデオで撮影され、世界中に配信されたことが衝撃的だった。
  • タリバンとの関係性と日本もその修復に携わっていることを知らなかったので衝撃を受けた。
  • 世界遺産は完全な形を保ってこその世界遺産だと思っていたが保護、修繕の役割を大いに果たしていると知った。

ルワンダ虐殺の記憶の場:ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ <ルワンダ共和国>文化遺産

ルワンダ内戦中の1994年に発生した大量虐殺を伝える遺産で、2023年に「記憶の場」という新しい概念で登録されました。比較的最近の出来事なので驚いたという意見が多く見られました。

受検者のコメント

  • 1994年という歴史としては新しい時代に、虐殺が行われたということ。
  • ルワンダの虐殺のことはほとんど知識がなかったので勉強して衝撃を受けた。
  • 虐殺の跡が目に見える形で残っており、当時の過酷さを物語っている。

ESMA 博物館と記憶の場:拘禁と拷問、虐殺のかつての機密拠点 <アルゼンチン共和国>文化遺産

ルワンダと同年に同じく「記憶の場」として登録されました。アルゼンチンの軍事政権下で行われた人権侵害の教訓を伝える遺産です。「ESMA」はかつての囚人収容所の一つで、現在は博物館になっています。

受検者のコメント

  • 恥ずかしながら、知識としてもまったく知らなかった。
  • 国家による組織的な犯行の内容が想像を超えるものだった。
  • アルゼンチン軍事政権の人権弾圧のことはあまり知らなかった。

メンフィスのピラミッド地帯 <エジプト・アラブ共和国>文化遺産

テレビのドキュメンタリーやクイズ番組で紹介されることも多い遺産ですが、改めてそのスケールの大きさや当時の技術力の高さ、謎の多い建造方法に衝撃を受けた人が多いようです。

受検者のコメント

  • 作られた経緯や方法などがわかっていないところ。
  • 平均2.5トンの石をどうやって高さ150メートルまで持って上がったのか不思議に思った。
  • 王の墓でありながら、農閑期の公共事業であった点。
勉強して衝撃を受けた世界遺産 TOP30の一覧
順位 遺産名 国名 ポイント
1位 ゴレ島 セネガル共和国 105
2位 アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945) ポーランド共和国 54
3位 メテオラの修道院群 ギリシャ共和国 43
4位 イエローストーン国立公園 アメリカ合衆国 34
5位 広島平和記念碑(原爆ドーム) 日本国 26
6位 バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群 アフガニスタン・イスラム共和国 22
7位 屋久島 日本国 21
8位 ルワンダ虐殺の記憶の場:ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ ルワンダ共和国 20
8位 ESMA 博物館と記憶の場:拘禁と拷問、虐殺のかつての機密拠点 アルゼンチン共和国 20
10位 メンフィスのピラミッド地帯 エジプト・アラブ共和国 19
11位 タージ・マハル インド 18
11位 シーギリヤの古代都市 スリランカ民主社会主義共和国 18
11位 エローラーの石窟寺院群 インド 18
14位 ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献 フランス共和国、ベルギー王国、スイス連邦、インド、アルゼンチン共和国、ドイツ連邦共和国、日本国 17
14位 ビキニ環礁-核実験場となった海 マーシャル諸島共和国 17
14位 エルサレムの旧市街とその城壁群 エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産) 17
17位 ラリベラの岩の聖堂群 エチオピア連邦民主共和国 16
17位 ジャイアンツ・コーズウェイとその海岸 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) 16
19位 アントニ・ガウディの作品群 スペイン 15
19位 マチュ・ピチュ ペルー共和国 15
21位 ロベン島 南アフリカ共和国 14
21位 知床 日本国 14
21位 ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑 ポーランド共和国 14
21位 ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまで エジプト・アラブ共和国 14
21位 アルベロベッロのトゥルッリ イタリア共和国 14
26位 ンゴロンゴロ自然保護区 タンザニア連合共和国 13
26位 ラパ・ニュイ国立公園 チリ共和国 13
28位 モン・サン・ミシェルとその湾 フランス共和国 12
28位 万里の長城 中華人民共和国 12
28位 グレート・バリア・リーフ オーストラリア連邦 12
28位 白神山地 日本国 12
28位 佐渡島の金山 日本国 12
写真クレジット(上から):Curioso.Photography/Adobe Stock、aileino/Pixabay、Voyagerix/Adobe Stock、m.nakamura/Adobe Stock、Jonathan Wilson/Adobe Stock、grauy/iStock、Camilo Del Cerro/Wikimedia Commons(licensed under CC BY-SA 4.0)、zevana/Adobe Stock

【番外編2】知ることができてよかった世界遺産 TOP30

番外編その2では「知ることができてよかった世界遺産」についてアンケートを取りました。TOP10を見ると「勉強して行きたくなった」「衝撃を受けた」と重なる遺産もありますが、10個中5個がここで初めて10位圏内に入ってきています。どんなところが「よかった」のか、詳しく見てみましょう!
※ここまでに既出の遺産は省略しています。

ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献 <フランス共和国、ベルギー王国、スイス連邦、インド、アルゼンチン共和国、ドイツ連邦共和国、日本国>文化遺産

東京・上野の国立西洋美術館が世界遺産であるということは意外に多くの人が知らなかったようです。国境を超える遺産が身近にあるという事実を知ることができてよかったという意見が多く寄せられました。

受検者のコメント

  • 建築に興味を持つきっかけになるとともに、身近な場所の世界遺産を知ることができてうれしかった。
  • 日本に国境を越えて登録されている遺産があると知れた。
  • 無限成長美術館という概念に関心を抱いた。また、東京都内に世界遺産がある(小笠原諸島以外で)というのも意外であった。

知床 <日本国>自然遺産

こちらも日本にありながらあまり詳しくは知らなかったというコメントが多く見られました。海と陸が結びついた食物連鎖と生態系は、学んでみると多くの人の興味をそそるようです。

受検者のコメント

  • 食物連鎖がよくわかった!
  • 氷河期に日本が氷河に覆われなかったことさえ知らなかったが、それを知ることができた。
  • 国内にこんなにも手つかずの自然、生態系が残っていることを知らなかった。

富士山─信仰の対象と芸術の源泉 <日本国>文化遺産

自然というイメージが強いかもしれませんが、世界遺産には文化遺産として登録されている富士山。勉強することでその理由を詳しく知ることができてよかったと感じている人が多いようです。

受検者のコメント

  • 富士山が登録されたきっかけをよく知らなかったし不思議に思っていたので、今回を機に学べた。
  • 登拝などの文化については知らなかった。
  • なぜ富士山が題材の絵画や文学が多いのかを知ることができた。

エルサレムの旧市街とその城壁群 <エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産)>文化遺産 危機遺産

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3宗教の聖地。ニュースで報道されるイスラエルと周辺国・地域との紛争の理由も、この遺産を学ぶことでより深く理解できたという意見が多く見られました。

受検者のコメント

  • 知れば知るほど、深い問題があると思う。ニュースだけではわからないことを歴史や他資料から読んでもっと考えることが必要だと思った。
  • 世界の宗教やその関係について遺産を通じて深く学べたことが、とてもよかった。
  • 今の紛争の元となっている場所であり、どれほど重要なのかを知れた。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 <日本国>文化遺産

遺産群の中心的な存在である沖ノ島は今も一般人の上陸は禁止。自然崇拝と深く結びついた日本の祭祀文化や、日本人のルーツに興味を抱く人が多かったようです。

受検者のコメント

  • 行ってみたいけれど、一般人の上陸はできないという神聖さに惹かれた。
  • 日本は自然崇拝と信仰とが結びついていることが多いが、この遺産が典型的な日本の信仰のあり方の原点のように感じる。
  • 日本人のルーツをもっと知りたいと思えた。
知ることができてよかった世界遺産 TOP30の一覧
順位 遺産名 国名 ポイント
1位 ゴレ島 セネガル共和国 56
2位 ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献 フランス共和国、ベルギー王国、スイス連邦、インド、アルゼンチン共和国、ドイツ連邦共和国、日本国 37
3位 イエローストーン国立公園 アメリカ合衆国 33
4位 屋久島 日本国 32
5位 アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945) ポーランド共和国 26
5位 知床 日本国 26
7位 富士山─信仰の対象と芸術の源泉 日本国 23
7位 広島平和記念碑(原爆ドーム) 日本国 23
9位 エルサレムの旧市街とその城壁群 エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産) 22
9位 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 日本国 22
11位 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 日本国 21
12位 姫路城 日本国 20
13位 オデーサの歴史地区 ウクライナ 19
13位 白神山地 日本国 19
15位 ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまで エジプト・アラブ共和国 16
16位 マチュ・ピチュ ペルー共和国 15
17位 ンゴロンゴロ自然保護区 タンザニア連合共和国 14
17位 ヴェネツィアとその潟 イタリア共和国 14
17位 タージ・マハル インド 14
17位 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群- 日本国 14
21位 厳島神社 日本国 13
21位 モン・サン・ミシェルとその湾 フランス共和国 13
21位 グレート・バリア・リーフ オーストラリア連邦 13
21位 古都京都の文化財 日本国 13
21位 ロベン島 南アフリカ共和国 13
26位 アントニ・ガウディの作品群 スペイン 12
26位 法隆寺地域の仏教建造物群 日本国 12
26位 佐渡島の金山 日本国 12
26位 自由の女神像 アメリカ合衆国 12
30位 白川郷・五箇山の合掌造り集落 日本国 11
写真クレジット(上から):世界遺産検定事務局、Y taka/photoAC、kt-wat/Adobe Stock、Walkerssk/Pixabay、doraneko777/Adobe Stock
調査概要
調査目的 本調査(アンケート)は、世界遺産学習が世界遺産に対する関心をどのように広げるのかを明らかにすると共に、世界遺産検定受検者が興味・関心をもつ世界遺産を調査することで、検定教材や制作物、プロモーションの質を向上させ、今後の受検者満足度を高めていくことを目的としている。
調査対象 2024年11~12月に実施した「第58回世界遺産検定」の受検者
有効回答数 ●勉強して行きたくなった世界遺産
1,406名
●勉強して衝撃を受けた世界遺産
1,297名
●知ることができてよかった世界遺産
1,269名
調査方法 インターネット
集計方法 各テーマにつき回答者1人あたり1遺産を回答し、1ポイントとして算出。
調査期間 2024年12月9日~2025年1月5日